トランス
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2014/02/05
- メディア: DVD
- この商品を含むブログ (3件) を見る
映画「ウォンテッド」で唐突に殺し屋ギルドの一員になり、ファイトクラブよろしく価値観が逆転、本当の自分を解き放って「自由」を勝ち取った青年役の印象が強いジェームズ・マカヴォイ主演のサスペンス。
監督はダニー・ボイル。
競売人のサイモンは、超高価な絵画を強盗集団と結託して強奪する計画を実行するが、計画の途中で何故かサイモンは強盗達を裏切り、絵画強奪を阻止してしまう。
(しかし、当の絵画の行方は不明)
当然、強盗集団は激怒し、後ほど彼を誘拐。
彼が絵画を隠したものと判断し拷問でその在処を吐かせようとするが、サイモンは絵画強奪を阻止した際に受けた頭部への衝撃から、絵画を隠した場所・・・というより、何故自分が阻止する行動を取ったのかすら全く覚えていない。
そこで強盗団は、サイモンの失われた記憶を呼び覚ますため、催眠療法士のエリザベスを仲間に率いれるのだが・・・
「催眠」というある種魔法的な「要素」をサスペンスに織り込むに当たり、その扱い方によっては物語が途中から唐突にがくりと尻すぼみしてしまうのではないかという懸念を抱いていたのだけれど、本作はストレートに「催眠」を「魔法」的に扱いながらも、最後までサスペンスの趣を保てていたと思えた。
恐らく、サイモンの精神世界と現実世界における独特な質感の反転やカメラワークの妙味に加えて、ジャーマンスープレックス的とも言える強烈映像のシークエンスのつなぎ込みなど、ダイナミズムに富んだ演出のギミックが冴え渡っていたことが大きく寄与しているんではないかなと。
多分、万人受けはしない作品ではあるんだけど、映像センスにやられた感があるので観て良かったと思う。
個人的には、終盤になって次第に明かされていくサイモンと強盗団のリーダーの本質の対比に、ニヤリとさせられた。
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2012/04/13
- メディア: DVD
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (4件) を見る