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フルスロットル

フルスロットル

原題は「Brick Mansions」

2004年に公開されたリュック・ベッソン監督のフランス映画「アルティメット」(原題:Banlieue 13)のハリウッドリメイク版。(リメイクの本作では、ベッソンは脚本に参加している)

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映画『フルスロットル』予告編 - YouTube

リノ役にはアルティメットのレイト役を演じたダヴィッド・ベル(ベッソンお気に入りのパフォーマンス集団YAMAKASHIの一人)を継続(?)して起用。
ダミアン役は去年自動車事故でこの世を去った俳優「ポール・ウォーカー」 (ボビーZ、ワイルドスピード、テイカーズ等々に出演。有名ですね)

本作がポール・ウォーカー最後の出演作となった。

リメイク元である「アルティメット」や「アルティメット2」を視聴した立場で本作を見ると、アクションやパフォーマンスの面では正直、物足りなさを感じてしまった。
ダヴィッド・ベルの動きは「アルティメット」シリーズ同様に「かっけー!すげー!」という感嘆に尽きるんだけど、相棒となるダミアンの動きに注目するとダヴィッド・ベルと比べて見劣りしてしまう。
「アルティメット」でのシリル・ラファエリ演じるダミアンは作中でダヴィッド・ベルと互角のアクション・パフォーマンスを見せていたものの、本作のダミアン(ポール・ウォーカー)はどうしてもそういった場面で動きの洗練さに欠ける。というか正直、野暮ったい。
要所要所で大振りなパフォーマンスを見せるんだけど、全体的に見て、やはり何だか野暮ったい。

ただ、リメイクだからという前提で原作同様の設定や人物描写を踏襲しなければいけないという固定観念を一度脇にどけると、ああ、これはこれで明確なコントラストを作っているのだなという視点が生まれる。

驚異的な身体能力と格闘技術で退廃したブリック・マンションを生き抜くならず者(でも犯罪集団には与しない)のリノと、警察組織の構成員としてセオリー・マニュアル遵守の精神を根底に持ちながら、警察官という枠からすればトリッキーな面を持ち合わせるも、基本的にはパルクールやアクロバット技術を必要とすることはないダミアン。異なる背景を持つ2人の対比によって物語に幅をもたらせる。 感情移入の裾野を広げる戦法。

これが、ハリウッド的リメイクの妙味なのか!

なんてことを無理矢理思いながら「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~」という穏やかな気持ちで締めたいと思います。

ちなみにリメイク元の「Banlieue 13」と「Banlieue 13 Ultimatum」はこちら。


banlieue 13 trailer - YouTube


District 13 Ultimatum (2009) - Official Trailer [HD ...

(District 13というのはアメリカ版のサブタイトルです)