夜と霧 感想(読書日記)
夜と霧 新版を読み終わった。
所詮、運命に左右されるしかない人間なのだから生き続けることそれ自体にはあまり意味が無く、不可避の不安や苦難に意味を見い出し、それを甘んじて受け入れることで自身の生を意義深いものにすることができるという後半の考察が、とても身につまされた。
生き延びられるかどうかに「意味」がある生など、その意味は偶然の僥倖に左右されており、 そんな生はそもそも生きるに値しない
という一文はあのアウシュビッツやその他の収容所で、多くの仲間達の死を間近で目撃しながら偶然生き延び、まさに運命に弄ばれた著者であるからこそ余計に重みがある。
自身の薄っぺらな内面が外的な運命より強靭だということを、自分は果たして証明できるのだろうか。 悩ましいところだ。
さて、ちょっとSFが読みたくなったので昔買って積み読状態だったヤキトリ1 一銭五厘の軌道降下 (ハヤカワ文庫JA)を読み始める。
異星人に支配された未来、隷属階級で人生真っ暗闇状態の主人公が異星人側の使い捨て惑星軌道歩兵に志願して、再起を図る話。
今のところは主人公の独白で繰り出される罵詈雑言の多さに、読んでいてやや滅入っている。
話的な転換が無い限りまた積み読に戻るかなー。
あとは、フレンチレストラン『ミチノ・ル・トゥールビヨン』のオーナーシェフ道野正さんの料理エッセイ本 料理人という生き方を買った。
本の装丁良いし、料理の写真がめちゃくちゃ綺麗。
だらだら見ていきたい。
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