ビジランテ 感想
埼玉の地方都市に生きる三兄弟の話。
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冒頭、父親(菅田俊)からの虐待に業を煮やした三兄弟が実の父親の寝首をナイフで刺そうとして失敗し、その暗殺に使ったナイフを隠匿しようと深夜の川を渡るシーンから始まるんだけど そこで兄弟達を追いかけてくる菅田俊の形相に、もう、のっけから度肝抜かれる。ほんと、怖い。
その事件をきっかけに長男(大森南)は蒸発。残された次男(鈴木浩介)と三男(桐谷健太)はどうにかこうにかやり過ごしながら大人へと成長。
次男は父親の後を継いで市議会議員を務め、三男はデリヘルのやとわれ店長で女の子を管理する日々を過ごす。
やがて件の父親が他界すると行方をくらませていた長男が突如帰郷し、戻ってくるやいなや「親父の遺産は俺が相続する!」と強硬な態度を見せる。
そんな長男に兄弟達は困惑しながらも、それぞれが抱える「事情」からやがて三兄弟はぶつかり合うことに・・・。 そこへ大規模ショッピングモール開発を推進する市政の思惑が絡み合って、物語はどす黒い黒煙を吐き出す暴走蒸気機関車さながらに危険な暗黒の世界へと突き進んでいく。
タイトルのビジランテは「自警団」(Vigilante)という意味。
権利の侵害が強く想定される場などにおいて、司法手続によらず自らの実力行使をもって自己および共同体の権利を維持確保するために結成される組織
作中、三兄弟と彼らを取り巻く女達、各々の「守ろうとする意思」が横溢し、その相克する意思の鍔迫り合いが暴力という表現と相俟って、容赦なく観ている側の情緒を揺さぶってくる。
途中、次男の妻である篠田麻里子が夫の地盤を守るためにある一線を越える覚悟を決めた顔を次男に向けるんだけど、その時の顔は本当に一見の価値あり。
あと、不動産の相続絡みで脅迫してくるヤクザ役をラッパーの般若が演じているんだけど、すごい様になっていて良かった。
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