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WWDC2015のUser Interface Design Labに行ってきた話

今年もWWDCに参加できました

f:id:misyobun:20160515161107j:plain 今年も運良くWWDC2015に参加することができました。 Apple信者としては本当にありがたい話ですね。

(ただ、前回とは違い、今回は一人での参加です)

前回については↓をどうぞ https://www.vagrantup.jp/entry/2014/06/10/003424

www.vagrantup.jp

今年は円安によりWWDCのチケットや渡米・宿泊にかかる諸々の費用が去年より数段高くなっていて「場合によっては、ある程度自腹も覚悟しよう」という気持ちでいました。
しかし、幸運なことに今年も会社が費用を全額負担してくれました。

最高だ。

費用の総額を弊社CTOがチラリと確認する機会があったのですが、その際も「ん、ちょっとたか・・・いや、別に大丈夫です」という具合に稟議が通り予算がおりました。

これぞ宇宙的な予算生成能力「コスミック・バジェット・ジェネレーター(Cosmic Budget Generator)」です。 (本当にありがとうございます)

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WWDCで発表された内容については、色々なメディアがしっかりとまとめられてくれているのでこちらでは言及を割愛します。
今年はセッションというよりLabに行くことを心がけて行動し、いくつかのラボを巡りました。 その中で特に印象が強かったのはUser Interface Design Labです。

User Interface Design Labにいってきました

具体的な指摘を求めて

僕が現在仕事で関わっているモバイルアプリは、目下、各プラットフォームごと(iOS/Android)に最適なUI/UXを追求している最中です。

もちろん追求といっても、あくまでアプリの性質やアプリを使っているユーザの目線を第一に考えることが大前提で、その前提を包括しながらプラットフォームで推奨されているデザイン感(UI/UX)を取り入れていくのが望ましいと考えています。

ただ、正直なところプラットフォームで推奨されているデザイン感(UI/UX)というものがチーム内でいまいち定まらなかったりします。

デザインガイドラインに書かれていることを踏襲しようとしても、解釈の振り幅の大きさやアプリ独自に構築している世界観といった、諸々の要素間による綱の引き合いで最適なビジョンが見えてきません。

「これが、プラットフォームに最適化しつつユーザ目線をしっかりと捉えたアプリだ!!」と声高に叫ぶのがiOSチーム的に憚れるのが実情ですし、もっと外部からの意見や指摘を取り入れたいところです。 (ちなみにこれは僕が所属しているAndroidチームにも言えることです)

そう、できればプラットフォーム(Apple)の人に今開発しているものを見せて具体的な指摘が欲しい!

あ!

あるじゃん!

WWDCのUser Interface Design Labがあるじゃん!

User Interface Design LabはAppleのヒューマンデザインのエキスパートなデザイナーが開発者が持ち込んだiOSApp、WatchApp、MacAppについてUI/UX面でコンサルティングしてくれるラボです

行くっきゃない!

というわけでWWDC2日目、User Interface Design Labに行ってきました。

User Interface Design Labは予約必須

他のLab同様、User Interface Design Labも朝の9時から夜の18時まで開かれています。
ただ、開かれていると言ってもUser Interface Design Labは予約制です。
1時間前からLabの隣のスペースに並んで予約を取らなければいけません。
UI/UX Design Labのエリアには10の個室があり、そこにAppleのデザイナーが待機しています。
1開発者当たり30分という時間が与えられ、その時間はフルにAppleのデザイナーが開発者の持ってきたアプリやプロトタイプ(ペーパーモックでもOK)を触りながら色々な指摘や助言をしてくれます。

9時から18時までの9時間(予約多数によりランチ時間も稼働していました) 1開発者当たり30分ということは1時間20枠で9時間で180枠。 つまり、1日約180人の開発者がUser Interface Design Labでアプリを見てもらえることになります。

僕が朝8時ジャストに会場へ並びに行くとすでに長蛇の列ができており、僕の順番は大体120番目辺りでした。 8:30ぐらいの時点でその日の予約枠数が埋まりました。中々に盛況です。

予約を取る段で、受付の人から「何時頃に予約をとりたいか?」と訊かれます。 もし、その日のセッションや他のLabなどの中でUser Interface Design Labの優先度が高い場合は「anytime(いつでもOK)」と答えましょう。 そうすれば速攻で枠をとることができます。(僕の場合ランチの時間に枠を確保できました)

ちなみに予約を取るとき、駄目元で「日本語しゃべれるデザイナーの方とかいますかね?」と冗談ぽく訊ねたら、真顔で「ごめん、英語onlyなの」と回答されました。

「ですよねー」と苦笑い。

User Interface Design LabでAppleのデザイナーから指摘をもらう

予約した時間近くになったらUser Interface Design Labに再訪です。(10分前ぐらい)
受付に行きチェックインをしてブースの前の椅子で待機します。
そして定刻になったら受付のお姉さんからブース番号を言われるので、そのまま指定ブースに向かいます。
ブースの中にはペーパーモックを作る専用の紙が置かれたテーブルと(ジョナサン・アイブ+リーアム・ニーソン) / 2な感じのイケメンなAppleのデザイナー (以降リーアム)の方がいらっしゃいました。

さて、挨拶と同時に下記についてちゃんと伝えることが肝要です。

  • 自分は英語が不慣れである
  • これからの30分は可能な限りシンプルな英語でしかもゆっくりと喋って欲しい

僕のお願いにリーアムも笑顔で「わかった、頑張ってみるよ!」とこたえてくれました。
そして、現在開発中のアプリを見せ、実際に触ってもらいます。
リーアムは30分という限られた時間、アプリを触りながら

  • 「ここは、こうしたほうがいいね!」
  • 「ユーザ的にはこういう気持ちになるんじゃないかな。だからこうしてみるのをオススメするよ」
  • 「Appleとしてはこう考えてるんだよ」

といった具合に具体的な助言や指摘をしてくれました。

具体的な指摘内容については大人の事情によりこちらでは詳らかにできないのですが、もし、すごく興味があるようでしたらこちらへどうぞ。

30分はあっという間に過ぎて行きましたが収穫は相当ありました。
ええ、僕のテンションもMAXです。Labを出るとすぐに会社のGHEでissueを立てて16時間ほど未来にいるチームメンバーに指摘内容を共有しました。チームメンバーの反応も上々です。

User Interface Design Labで効率的にレビューしてもうらためにやっておくと良いこと

  • アプリの概要説明をちゃんとする
    • 英語に自信がない人はgengoなどで素案を作っておくと良い
  • ユーザ認証が必要な類のアプリの場合、リーアム用のユーザアカウントを作っておく
  • 時間は限られているので、レビューしてもらいたい画面を絞っておく
    • 例えばユーザの回遊率がなかなか上がらない画面など(事前にGAなどで調べておく)
  • 今回持っていたアプリは海外向けにローカライズをしていないので画面上の文言(日本語)について都度リアームに説明しなくてはいけなくてちょっとまごつきました。予め紙などでラベルの英訳をまとめておく、もしくはレビュー用にローカライズしておくのもいいのかもしれない。(その場合はレビューしてもらいたいUI/UXに関連する画面群のみ)