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日日是好日 を観た

二十歳の典子(黒木華)が、いとこの美智子(多部未華子)と近所でタダモノではないという噂の武田のおばさん(樹木希林)の元で茶道を習う話、日日是好日 を観た。

日日是好日

日日是好日

決まり事だらけの茶道の世界に戸惑いつつも、やがて、茶道の所作の美しさというものは、その決まり事である一連のプロトコルによって成立するということが武田先生の言う「習うより、慣れろよ」の言葉に凝縮されていると気付いた典子は、その世界へ身も心も委ねることに心地良さを憶えていく。

茶道を通して実感する変わることのない四季折々の美しさと、己の人生で起きる様々なライフイベントが交差することで、典子の人生の豊かさがブーストされていく様が良い。茶道は縦の糸で人生は横の糸といったところか。

そして、後半の武田先生の台詞が心根に染み渡る。

私、こう思うんですよ。こうして毎年、同じことができることが幸せなんだって

いとこの美智子の存在も、茶道を通して楽しむ季節の移り変わりは同じものであるが、それぞれの人生は全く異なるということを強調させる存在としての役割を果たしていて、全く違和感が無い。

劇中に出てくるお茶菓子や器も綺麗で全体的に目と心に優しい仕上がりの映画であった。